カウンセリングワールドに掲載されました①


松本氏、田所氏が執筆したカウンセラー教育に関する論考が
カウンセリングワールドに掲載されました。

再度読み直し、ご紹介したいと思います。

「カウンセラー教育再考①―ロールプレイ―」について…
さらりと「カウンセラー教育」と書きましたが、
あらためて考えるとクライエントからすると自分と話しているカウンセラーが今現在教育を受けていることに驚きがあるのかもしれません。

しかし、他者の人生を左右する仕事内容を考えると、
たかだか大学や大学院を卒業しただけ、
単なるペーパーテストと面接試験をクリアし臨床心理士の資格を得ただけで、
カウンセラーとして完成したとは到底思ってはならないことです。

もしかすると臨床心理士を取得した数年は辛い時期なのかもしれません。
肩書は得たが実力が伴わない。
でもクライエントにとってこちらが初心者かどうかは関係がない事情であるという事実…
身の丈に合わない鎧を着るのが怖くて、私は今年の資格試験を迷っています。

そうした学校を卒業して突然実力が付くわけではないという実情から生まれた
「カウンセラー教育」かと思われます。

ロールプレイで画期的なことはカウンセラー役がカウンセラーの模擬訓練を行うので、
成長に役立つことはもちろんですが、
クライエント役や観察者役でもカウンセラーとしての素養が鍛えられることです。
クライエント役も自分自身の感情や思考の動きを捉え言語化する力が求められます。
観察者役も緊張感から解放されより冷静で自由な気持ちで場面を考えることが可能です。
詳しくは原文をお読みください。

ここからロールプレイによる教育に対する批評です。
もっとも効率の良い教育方法とはその人の実力よりも少し上の課題を設定することだと思います。

しかし、ロールプレイは初心者だろうが熟練者だろうがいきなり3役にあてはめてロールプレイを行います。
なんだか勿体ない気持ちです。

具体的には思いつきませんが、ロールプレイによる教育はもう少しステップを細分化しさらに効果的な教育プロセスが可能なのではないかと考えます。

この問いかけは研究会の目的とも重なると思いますので、
精力的に研究活動をしていきたいと思っています。