2018年度 第4回 東京地区輪読会 報告


日  時:2018年7月20日(金) 18:45~20:45

場  所:新宿ダイカンプラザ 貸会議室

輪読箇所:『創造的に生きる』(小林純一 著  金子書房)

第7章 老人のカウンセリング

参 加 者:4名

 

 

今回は、参加者が家族や職場で関わる高齢者について日頃体験している様々なエピソードを交えながらの振り返りを行い、あらためて、「その人をわかる」ことの大切さと難しさを共有することができました。以下、参加者の感想や注目箇所を記します。

 

・89ページ、人間理解の箇所。「老人一般というものは存在しない・・・老人と見るよりも人間として見ること、88歳のAさんという人であることに注目しなければならない・・・このAさんを理解することがカウンセラーの第一になすべきことである」

老人のカウンセリングに限らず、広くはすべての人々と相対するときに大切な事。

 

・人間は死ぬまで成長する存在である、という考え方が土台にある。(小林先生はマズローの欲求段階説を7段階で説明しているのは新鮮だった。)個人の人格的成長を援助し、クライエントが自分で解決していけるよう援助するのがカウンセラーの役割。というのは、小林先生が再三にわたって論じていること。高齢になると身体的には失うことが多いが、そのなかで「成長」をどうとらえるかが大切ではないか。

 

・実際に身内の世話をしていると対立関係になってしまいがち。家族よりも第三者の介入が必要なのでは。

 

・86ページ、「人間関係を失うことは生きる意味を喪失することと同じ・・・」

カウンセラーの存在意義がここにあると感じた。前回の輪読箇所で対話の重要性が説かれていたが、対話を通してクライエントと新しい人間関係をつくりだすことがクライエントの生きる希望につながるのだと思った。

 

・その人の隣人となり、心の友となる。・・・神父でもある小林先生ならではの表現と思われるが、宗教観を伴わずとも「隣人」というのは素敵な考え方だと思う。フラットな関係が人間の尊厳性を保つために大切なことだと思った。

 

・93ページ、「操作的に適応させようと強制することは人間の尊厳性を損なうことになりかねない」

 

 

次回は9月21日(金)18:45~20:45

第2部 1.人格的成長への期待  2.私は変わりたい です。

場所は新宿ダイカンプラザA館1021号室(前回と同じ場所)です。

輪読会メンバーは随時募集しております。月に1回の情報交換の場にもなっていますのでお気軽にご参加ください。

お知り合いにも是非お声掛けいただけますようよろしくお願いいたします。

(参加費  会員:500円 非会員:1000円)