第13回東京地区輪読会が開かれました


日時:2017.11.24(金)18:45~20:45  場所:新宿ダイカンプラザB館 904号室

出席者 :4名

輪読箇所:『カウンセリング序説』(小林純一 著  金子書房)P153~178

第6章 面接過程~初回の面接例~ B ある高校生との面接過程

 

今回の箇所はクライエント(高校生)役とカウンセラー役に分けて読み進めた。なかなかの演技派ぞろいで臨場感があり、一人で黙読するのでは得られない体験ができた。下の段の注釈は音読せず、個人での振り返りの時間に読むことにした。以下は参加者の注目した箇所や意見である。

・この箇所を読む前提として、クライエントのことばは自己啓示するための道具だという小林先生のお考えを念頭におく必要がある。

・注釈にもあるとおり、このクライエントは最初のうちカウンセリングの場に対し「こんな所」と拒否的・消極的態度をとっている(担任に来させられた)が、中盤以降は一切そういった表現がなくなり、徐々に自分の寂しさや孤独感を目の前にいるカウンセラーに対して表現するようになっていく。

・Cr25で、カウンセラーがクライエントに対して「話してくれたことは私にとってうれしい」と初めて自己表現している。これは、クライエントに伝わると信じたからなのであろう。また、「うれしい」と誰かに感謝されることはクライエントにとって大きな喜びと自信をもたらすものと思われる。

・このクライエントは正直でまっすぐな青年だと思った。

・Ce49では、「ありのままのおれを見てくれる」学校に行きたいと、自分を理解してくれる人の存在を求める発言をしており、それをカウンセラーが丁寧に確認している。

・structuring(ストラクチュアリング)という言葉が注釈に何度か出てくる。クライエントが「ここ、何するんですか!」と言った言葉に対する注釈に「カウンセリングの本質に関する問題」とあるところから、このstructuringは構成・枠組みといった意味合いなのだろうか。(田所先生、お考えを聞かせていただければ幸いです)